定量評価を活用した市場評価の改善機会
- htsujii
- 7月8日
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更新日:7月24日
前回に続き、当社が開発した定量評価手法を用いた、市場評価の改善可能性についてご紹介いたします。
前回ブログの図2では、月次評価で継続的に高い評価を獲得した銘柄が、月末評価を改善する傾向があることを示しました。今回はこの傾向を、より具体的に理解していただくために、図1、図2の2つのグラフに分けてご説明します。
図1は、月次評価に基づく区分ごとに、ある評価指標(複数あるうちの一つ)の平均偏差値を棒グラフで示したものです。評価区分は過去6ヶ月間の月次評価の平均値により決定しており、横軸が右に行くほど高い評価区分となります。棒グラフは右肩上がりの傾向を示しており、月次評価の高さと評価指標の正の関係を表しています。グラフ下部の括弧内の数値は、各区分に含まれるサンプル数を示しています。

図2は図1の母集団に対し、6ヶ月間の月末評価の改善幅に基づく評価区分ごとに、評価指標値を平均偏差値で示したものです。高い月次評価を継続して獲得した銘柄ほど、より大きな月末評価の改善を実現する傾向を受けて、こちらの図も右肩上がりの傾向が見られます。

次に図3をご覧ください。ここでは、図2と同様に月末評価の改善幅に基づく区分ごとに、6ヶ月間の株価変化率の平均を棒グラフで表示しています(前回ブログの図3を右側面から見た構図となります)。途中やや波打ちながらも、全体として右肩上がりの傾向を示しており、月末評価が大きく改善した企業ほど、株価も上昇する傾向があったことを示しています。グラフ中の「100%」は株価が変動しなかったことを意味します。

以上の結果から、上場企業は自社の市場評価を定量指標に基づき可視化・認識し、その改善に取り組むことで、株価評価の向上を実現可能であることが分かります。評価指標は同業他社と相対比較が可能であり、それぞれの銘柄が市場からどの様な評価を得ているかを相対的に認識する事が出来ます。またそれぞれの指標は、市場の相対的な期待・評価を示唆します。企業はこれら情報をもとに、施策の成果を定量的に把握しながら、効果的なIR施策を計画・実行する事で、より効率的に改善サイクルを実現できるのです。