新株予約権による資本調達の存在感

中小規模企業に関連した株式市場の話題で、新規上場(IPO)は常に注目されますが、新株予約権による資本調達は意外な程注目度が低く、メディアで話題となる機会は限られる様です。昨年までの過去5年間を振り返っても、新規上場総額の数倍の発行規模がある事は、あまり知られてはいないのでは無いでしょうか。(図1)





この注目度の格差要因は、新鮮味のある新規上場企業と新鮮味を欠く既存上場企業の違い、投資家にとって利益獲得に繋がる機会と株価下落に繋がる要因の違い、成長性著しい発行企業と成長性に陰りが出た発行企業の違い等、様々存在しそうです。

その中の一つとして、発行規模の違いによる注目度の違いもありそうです。(図2)





加えて調達手段としての課題もありそうです。新株予約権による資本調達は、発行後権利行使が進まないと、資本調達が完了しない点が特徴です。これまでの発行額に対する行使額の推移を見ると、毎年25%から40%程度の範囲に留まる様です。多くの新株予約権の権利行使期間が2年から3年程度に設定されますが、毎年新規に発行される金額を考慮すると、発行額に対し実際の調達額は限定されてしまっている物と思われます。(図3)





時価総額が比較的小さく投資家認知が低い上場企業にとって、株式資本の調達手段として新株予約権による調達は重要な手段であると思われますが、期待される機能を果たす上でまだ改善の余地を残している様です。(データ出所:日本証券業協会、東京証券取引所)